
近衛信尹の「いろは歌屏風」に代表されるように、近世から現代にかけて、
これまでにも多くの書家が「いろは歌」という題材に挑み、様々なカタチで表現してきました。
本作は過日、京都文化博物館において開催された個展、「書 中川聖久の心」展に出品された作品で全長15メートルにも及ぶ超大作です。

羽毛を素材にした特殊な大筆を用い、一気呵成に書き上げた作品とのことで、
森田子竜の「線」、井上有一の「気迫」にも似たものを感じる大きな世界観、
まさに単に「かな」というジャンルにとどまらない先生独自の「中川聖久の書」、
先生の代表作の一つです。
末永く、教育に研究に活用させていただきます。
(福井淳哉 記)